HOMEエピソード8
話を現場に戻そう。私が個人的に組織したホームレス清掃隊員は 『町の美化協力員ホームレス(1)』 というゼッケンをつけていたのだが、実はこれが問題になったのだ。
「ホームレスなどと人権を無視したゼッケンをつけさせるとは、配慮がたりないではないか」
そんな声があがったのである。
「配慮がたりないのはどっちだ!」 私の怒りは爆発した。
私が、わざわざ“ホームレス”というゼッケンをつけさせたのは、人権無視どころか、彼らの存在価値をアピールするためであった。
「あァ、あの人たちがあんなに一生懸命になって街をきれいにしている!感心しちゃった」
「あたしたちもガムを吐き捨てるのはやめようね」
「そうだ、そうだ、気をつけよう」
私は、そんな効果を狙って自腹を切ったのだ。そしてこれがきっかけになって行政も乗り出してもらいたいと思ったのである。
こうした私の考えを無視してホームレスとゼッケンに書いたのはけしからんと、わざわざ法務局の職員までやってきて文句をいう始末。
私は 「つべこべ言わず責任者を出せ」 とどなり返した。法務局が謝ってケリとなったが。
ついでながら言えば、ゼッケンに番号をつけたのは、日当を支払う時に、分かりやすいようにしたまで。名前を呼ぶわけにはいかないではないか。
さて、一方の業者との話し合いも、一ヶ月以内に業界としての結論を出すということで終わったが、私は、次のような“止めの一言”を制すことを忘れなかった。
「協会からの解答次第では、公共施設でのガム販売禁止条例の制定請願などを検討したい」
だが、その後の進展はまだない。
ガムの吐き捨ては一向に減らない。タバコのポイ捨ても、空き缶も所構わず捨てられる
私の怒りはつのるばかりであった。
これはどうしても市の条例を作ってそれで取締まらなければならない。その思いが、私を突き動かしたのである。
エピソード9に続く
金澤義春物語第8部・ホームレス対策を急げ(エピソード7からの続き)
ゼッケンが問題に
話を現場に戻そう。私が個人的に組織したホームレス清掃隊員は 『町の美化協力員ホームレス(1)』 というゼッケンをつけていたのだが、実はこれが問題になったのだ。
「ホームレスなどと人権を無視したゼッケンをつけさせるとは、配慮がたりないではないか」
そんな声があがったのである。
「配慮がたりないのはどっちだ!」 私の怒りは爆発した。
私が、わざわざ“ホームレス”というゼッケンをつけさせたのは、人権無視どころか、彼らの存在価値をアピールするためであった。
「あァ、あの人たちがあんなに一生懸命になって街をきれいにしている!感心しちゃった」
「あたしたちもガムを吐き捨てるのはやめようね」
「そうだ、そうだ、気をつけよう」
私は、そんな効果を狙って自腹を切ったのだ。そしてこれがきっかけになって行政も乗り出してもらいたいと思ったのである。
こうした私の考えを無視してホームレスとゼッケンに書いたのはけしからんと、わざわざ法務局の職員までやってきて文句をいう始末。
私は 「つべこべ言わず責任者を出せ」 とどなり返した。法務局が謝ってケリとなったが。
ついでながら言えば、ゼッケンに番号をつけたのは、日当を支払う時に、分かりやすいようにしたまで。名前を呼ぶわけにはいかないではないか。
さて、一方の業者との話し合いも、一ヶ月以内に業界としての結論を出すということで終わったが、私は、次のような“止めの一言”を制すことを忘れなかった。
「協会からの解答次第では、公共施設でのガム販売禁止条例の制定請願などを検討したい」
だが、その後の進展はまだない。
ガムの吐き捨ては一向に減らない。タバコのポイ捨ても、空き缶も所構わず捨てられる
私の怒りはつのるばかりであった。
これはどうしても市の条例を作ってそれで取締まらなければならない。その思いが、私を突き動かしたのである。
エピソード9に続く